ワキガ手術【根本的な治療】種類と特徴

一年中気になるワキガ臭の悩み、一刻も早くどうにかしたいですよね。

 

ワキガの悩みを抱えてる人にとって、やはり治療は手術がいいのか、一度は悩んだことがあるでしょう

 

当時、手術を考えていた妻は、その手術でワキガが治ったとしても、再発しまったり、強い副作用や後遺症が残らないか、インターネットや雑誌でいろいろ調べていました。

 

ところが、クリニックの公式サイトや医療の口コミなど見ても、商品販売が目的の情報や、手術を受けた方には個人差があったりして、結局のところ実際はどうなのか分らなかったのです。

とくに手術については

 

・麻酔→局部なのか全身なのか
・手術時間→どれくらい
・強い痛み→感じるのか
・術後→何日で普通の生活に

・傷跡→もし残ったら

 

と思うと、ワキガの手術を考えているけど、なかなか決心がつかず、思い切って行動できないものです。

 

そこで今回は、私の妻は形成外科でワキガの手術を受けましたので、過去の手術経験と一緒に夫としての視点で振り返り、根本的な効果が期待できるワキガの治療法について、ご紹介していきますね。

複雑になった呼び名と手術法

ワキガの悩みを断ち切るには、ニオイの一番のもとになっている、アポクリン汗腺そのものを完全に除去するしか方法はありません[注1]

 

それがワキガ手術ということになるのですが、最近ではクリニック独自の手術法やバリエーションが数多くあり、さまざま呼び名が入り交じって複雑になっています[注1]

 

また、手術の種類や内容、麻酔方法、手術痕、術後の通院はあるのか、日常生活にはどれぐらいで戻れるかなどのことを考えると、とても簡単には選択できるものではありません[注1]

参考文献:[注1]腋臭症の診療方針の立て方と治療

ワキガ治療6つのポイント

次に、どうなような方法でワキガを治療するのかということになりますが、これにもさまざまな目標があり、まとめると6つのポイントが挙げられます[注2]

①ニオイが確実にとれる
②汗が確実に減る
③安全で副作用がない
④再生・再発しない
⑤傷跡が目立たない
⑥短時間でできる

(前略)手術をともなう治療ですが、これにもさまざまな方法があり、いずれも以下のことを目標に、開発・改良されてきました。ポイントは次の6点です。(後略)
引用元:[注2]2011年 旬報社 五味常明『気になる口臭・体臭・加齢臭』82Pより引用

いずれも重要なポイントですが、これら全てを満足させる治療は、かなり難しいもので、ワキガの手術法はこの6つのポイント中、どれを優先するかによって、

直視下手術法
医師が自分の目で手術対象となるアポクリン汗腺を見ながら、自らの手で丁寧に取り除く手術法[注22]

非直視下手術法
医師が直接、手術対象となるアポクリン汗腺を見ることなく、機械に頼って行う手術法


の2つに大別されます。
 

ワキガの治療法「直視下手術法」

①~④を重視した手術法で、医師が直接、手術部位を見ながら、ひとつひとつ丁寧にエクリン腺、アポクリン腺を取り除いていきます[注3][注4]  

 

この直視下手術法はワキガ手術の中でも、最も再発のリスクが少ないことでも知られています

参考文献:[注3]なぜ直視下で手術が行わなければならないか?

まず、①~④を優先し、アポクリン腺を腺根までていねいに除去することに主眼を置いた方法を、「直視下手術法」と呼びます。医師が自分の目で、手術対象となる部位を見ながら、自らの手で行う手術だからです。
引用元:[注4]2011年 旬報社 五味常明『気になる口臭・体臭・加齢臭』83Pより引用

剪除法

剪除法(せんじょほう)は、別名「反転剪除法(はんてんせんじょほう)」[注5]とも呼ばれている手術法です。

ワキの下に4~5センチ切れ目を入れて皮膚を裏返し、医師の目視によって、アポクリン汗腺とエクリン汗腺を確認しながら切除していく手法になります[注22]

 

皮膚まで一緒に切り取ってしまう切除法[注22]対し、剪除法は皮膚をそのまま残した状態で裏返しておいて手術後もとに戻します。

そのため、切除法のように手術でどうしてもおきてしまう「ワキが引きつれる」というようなことはありません

 

術後は、独自の圧迫固定の方法があり、施設によって違いますが、基本的にタイオーバー法[注22]という皮膚の固定を行い患部の自然な治癒を促進します。

 

タイオーバー固定は通常の場合、手術用の糸を使用しますが、「溶ける糸」で縫い付けるクリニックもあるようです。

この方法は皮膚を裏返すことから「反転除法」とも呼ばれているものです。
引用元:[注5]2010年 長崎出版 重本譲 『ドクターによるワキガ・多汗症・黄ばみの最新治療』87Pより引用

剪除法のメリット

剪除法のメリットは、保険適用治療が可能で、ワキガ治療として確実性が高いことです[注22]

 

医師の目視によって、アポクリン汗腺やエクリン汗腺を確認しながら切除していくので、1回の施術でニオイや汗の除去効果に期待がもてます

 

また、毛根ごと汗腺を除去することがあるので、一部分の脱毛にも効果が期待できるようです。

剪除法のデメリット

切開を伴う施術のため傷痕が残るほか、黒ずみも発生したりもします[注6]

 

やはりメスを体に入れるということで、ダウンタイムとしての時間が必要になるため。常生活において支障がでるのもデメリットです

 

また、剪除法は理論的には極めて再発の可能性が低い手術法とされているのですが、医師の技量によっては、アポクリン汗腺がまばらに取り残されることが問題点と報告されています

参考文献:[注6]軟部組織の形成におけるレーザーの新しい応用:皮下脂肪や腋臭症への拡大

【関連記事】手術痕についてのさらなる詳細は下記のページで紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 

ワキガ手術の「傷跡」と「対策法」
形成外科や美容外科でワキガの手術を受けた人の中には、医師のずさんな施術により、思わず目を背けたくなるほどの、むごたらしい手術痕が残った方もい...

直視下剥離法

直視下剥離法(ちょくしかはくりほう)は、ワキガ治療の第一人者である、五味クリニック院長の五味常明(ごみ・つねあき)先生が考案された治療法です。[注7]

 
 
 
 
 
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向かって左にお座りになられている方が、各メディア・雑誌に多数ご出演されています五味クリニックの院長 五味常明先生です。

「五味法」とも呼ばれ、アポクリン汗腺の摘出方法やメスを入れる範囲とその部位などに、五味先生独自の技量を加えた、最新型の直視下手術法になります[注7]

参考文献:[注7] 五味常明 医師(ごみつねあき)|ドクターズガイド|時事メディカル

直視下剥離法のメリット

この方法は、アポクリン汗腺をかき取るのではなく、アポクリン腺と皮膚と脂肪層を、丁寧に剥がしていく最新の手術方法です[注8]

 

これにより、出血も最小限に抑えられるため、身体への負担も少なく、汗腺類の除去が比較的スムーズに行えるように。[注8]

 

また、アポクリン汗腺の取り残しをほとんどなくしたうえ、切開部を縫合する際「埋没式タイオーバー法」でしっかりと圧迫固定が適用。術後は傷跡もワキのシワにまぎれ込んでしまい目立たなくなるようです[注8]

 参考文献:[注8]直視下剥離法の技術的特徴

直視下剥離法のデメリット

この手術法はアポクリン汗腺を丁寧に剥離いていくため、手術に要する時間が少なくとも1時間かかります[注9]

 

また切開範囲が大きいため、ワキのシワにまぎれ込んでしまうものの、術後しばらくの間は手術痕がどうしても残ってしまうようです[注9]

 

術後6ヶ月も経てば切開部分はほとんど目立たなくなるようですが、傷痕のことが気になる方は、カウンセリング時に必ず医師に相談しましょう

 参考文献:[注9]直視下剥離法の問題点

【関連記事】手術以外に汗やニオイを緩和できるデオドラント剤については、下記の記事を確認してみてください。

おすすめワキガケアクリーム8選+最強制汗剤αを徹底解説|本格的な抑臭を叶えたい人必見!
毎日ニオイケアを頑張っているけれど、汗をかくとやっぱり気になるワキガのニオイ。 毎回トイレに駆け込み「どうして…」なんて、周りにニオってな...

ワキガの治療法「非直視下手術法」

⑤~⑥を優先した手術法で

より治療時間を短く
より手術痕を目立たない

ことに主点をおいた治療法です

 

この方法では、さまざまな機械を使って、医師が直接、手術対象となる手術部位を目視することなく指先の感覚と患部が映ったモニターを見ながら機械に頼って行う手術法になります[注10]

 ワキの内部を見ずに手術を行なうため、いかにワキの内部構造を知っているかどうかで結果が左右されることがあり、ベテランの技術が求められる方法です。

(前略)この方法では、アポクリン腺を摘出するために、さまざまな機発が使われ、医師が直接、手術の対象となる部位を見ることなく、機械に頼って行う術方法になるので、「非直視下手術法」、あるいは「機械的方法」と呼んでいます。(後略)
引用元:[注10]2011年 旬報社 五味常明『気になる口臭・体臭・加齢臭』83Pより引用

イナバ式皮下組織削除法


イナバ式皮下組織削除法(ひかそしきさくじょほう)[注11]は、ワキガと多汗症の専門家として長年第一線で活躍する、稲葉クリニックの稲葉義方(いなばよしかた)医師が開発したワキガ治療法です。[注12]

 【皮下組織削除法】
基本的には掻爬法と同じく、アポクリン腺をかき出す手法ですが、鋭匙の代わりに、ひげそり刃と皮膚を圧迫するローラーを組み合わせたような器具を使用します。(後略)
引用元:[注11]2011年 旬報社 五味常明『気になる口臭・体臭・加齢臭』83~84Pより引用


基本的には
皮下組織掻爬法(ひかそしきそうはほう)[注12]と同じようにアポクリン腺を削りとる手術法ですが、鋭匙[注14]の代わりに特殊なカミソリの刃と皮膚を圧迫するローラーがついた特殊な器具(皮下組織削除器:特許取得)を使用します。[注13]

【皮下組織掻爬法】
鋭匙というスプーン状の刃物を切開口に入れ、アポクリン腺をかき出す方法です。しかし、鋭匙の刃の切れをよくするのが難しく、除去効果も確実でないため、現在ではほとんど行われておりません。
引用元:[注12]2011年 旬報社 五味常明『気になる口臭・体臭・加齢臭』84Pより引用


ワキの下に1cmほどメスを入れ、その切開口から専門器具を挿入。
この一か所の切り込みからワキ全体の汗腺類をかき取っていく手術の術法です[注13]

イナバ式皮下組織削除法のほかに、ローラー法などカタカナを用いた、クリニック独自の呼び名や新しい治療法もあります。

ただ、これらの手法は、手術で使用する専門器具をわずかに改良を加えて、独自の方法と称しているケースがほとんどで、実際にはワキの下を切開し、アポクリン汗腺をかき取るという点ではどれも同じもののようです。

参考文献:[注13] 稲葉義方 医師 (いなばよしかた)|ドクターズガイド|時事メディカル
参考文献:[注14]鋭匙 – 村中医療器

皮下組織削除法のメリット

皮下組織削除法では、ニオイもとのアポクリン汗腺だけでなく、エクリン汗腺や皮脂腺なども一緒に除去できるため、これまでになく新しい手術法だと評価されています。[注13]

 

使用する専門器具は新しく開発されたものですが、機器の操作には高度なテクニックが要求されています。[注13]

皮下組織削除法のデメリット

使用する器具の操作が難しく、医師の技量が未熟だとワキ下の皮膚に穴を開けてしまうほか、皮膚を薄く削り取るため、術後の黒ずみを発生させてしまうことがデメリットです。[注13]

 

また、外側の皮膚の色の変色から、汗腺類が除去できたかどうか判断するため、手術の結果を判定するにも、多くの実践で熟練を要するなど、いくつかの問題点が報告されています[注15]

参考文献:[注15]腋臭症の治療の概説

皮下組織吸引法

皮下組織吸引(ひかそしききゅういんほう)は、美容外科で行っている、おなかの脂肪を吸い出す脂肪吸引と基本的に仕組みは同じものになります。

ワキ下に数ミリの小さな穴をあけて、そこから一般的には「カニューレ」[注16]と呼ばれている、細い管のような専門器具を差し込んで、汗腺類をかき取りながら吸引する手術法です[注17]

 参考文献:[注16]脂肪吸引手術を受けられる患者様へ(カニューレ)

 (前略)現在、美容外科クリニックで採用されているのが、「皮下組織吸引法」です。これは、腋の下に数ミリの小さな穴を開けて、そこから「カニューレ」と呼ばれる細い管を差し込んで汗腺類をかき取りながら吸引する方法で、腹部や太ももなどの脂肪吸引技術から派生した術式です。(後略)
引用元:[注17]2010年 長崎出版 重本譲 『ドクターによるワキガ・多汗症・黄ばみの最新治療』90~91Pより引用

皮下組織吸引のメリット

従来の切開する手術法に比べ、小さく穴を開ける方式のため、身体への負担も小さく済むほか、傷痕もほとんど残らず、術後の回復も早いことから入院の必要がないようですね[注18]

 (前略) 皮膚を切開するのではなく、小さな穴を開ける方式のため、傷痕はほとんど残りません。からだへの負担も小さく、術後の回復も早いことから入院の必要がないということが最大のメリットといえるでしょう。(後略)
引用元:[注18]2010年 長崎出版 重本譲 『ドクターによるワキガ・多汗症・黄ばみの最新治療』91Pより引用

皮下組織吸引のデメリット

この方法では、脂肪は吸引できますが、汗腺類が完全に除去出来たかどうかの判定はできないようです[注19]

 

とくにアポクリン汗腺のように、表皮と皮下組織の間にある真皮層にしっかりと密着しているため、十分に取りきれず、汗腺の根が残って再発する可能性が非常に高くなります

 

そのため、術後は一時的に発汗が低下するため、効果が得られたかのように思えますが、エクリン汗腺についても全ては除去できないので、多汗の解決にもなりません[注19]

 (前略)ただ、皮下組織吸引法も軟部組織(脂肪)は吸引できますが、汗腺のように皮下にしっかりとくっついている組織は十分に取りきれず、結果が不十分なことが多いです。ただし、一時的に汗腺にダメージを与えることにより発汗が低下するため改善したかのように思えますが、術後半年ぐらい経過して患者さんから「臭いがしています」とクレームが発生するケースが多くあります。(後略)
引用元:[注19]2010年 長崎出版 重本譲 『ドクターによるワキガ・多汗症・黄ばみの最新治療』91~92Pより引用

皮下組織吸引法(超音波法)

超音波法(ちょうおんぱほう)は、最先端のワキガ治療法として、最近人気を集めている治療法です

 

ワキの下に数ミリの穴を開けて、そこへ特殊な超音波を出す専門器具を挿入。それから超音波を発生させてアポクリン汗腺を破壊し、壊れた汗腺類を吸引管で吸い出すというものです。[注20]

ダウンタイムが短いため (前略【皮下組織吸引法(超音波法)】発想は美容外科で行っている脂肪吸引と同じです。おなかの脂肪を吸い出すように、吸引器によってアポクリン腺を吸い出します。(後略)引用元:[注20]2011年 旬報社 五味常明『気になる口臭・体臭・加齢臭』84Pより引用

皮下組織吸引法(超音波法)のメリット

メスを入れる範囲が小さいので、手術に要する時間も短く、しかも傷跡がほとんど残らないため、術後の生活制限の面で有利な手法になります[注22]

 

超音波は限定した周波数を使用することで、汗腺のみにダメージを与えるため、血管や神経を傷つけることなく二オイの原因であるアポクリン汗腺を破壊することで、ワキガ臭減少に期待ができるようです。

 ワキガ治療の効果の期待値は剪除法に劣るものの、合併症のリスクが低いことやダウンタイムが短いため、術後の生活制限の面の有利さなどからこれらの手法が推薦されることもあります。[注22]

超音波法のデメリット

当初は術後の回復も早いことから注目された方法ですが、実際には汗腺を破壊するほどの超音波をあてると、発生した熱により、火傷や組織内水腫の合併症の報告や、超音波の調節よる熱で皮膚自体にダメージを与えることもあるようです。

 

そのほか、医師の技量が未熟だと、破壊されなかった、あるいは吸引しきれなかった汗腺がそのままの状態で残り、ワキガが再発する可能性があります[注21][注22]

 (前略)この方法ではアポクリン腺が完全に除去されたかどうかの判定ができません。アポクリン腺は皮膚の真皮層に貝柱のようにしっかりと密着しているため、腺根が残って再発する可能性が非常に高いのです。また、真皮層にあるエクリン腺を摘出できないので、発汗量を減らすことはできず、多汗の解決にもなりません。(後略)
引用元:[注21]2011年 旬報社 五味常明『気になる口臭・体臭・加齢臭』85Pより引用

【関連記事】下記記事では術後もワキガは再発する可能性について説明しています。ぜひ参考にしてみてください。

 参考文献:[注22]形成外科ガイドライン

最後に

・完ぺきなワキガ治療は難しい

・医師自ら行う治療は直視下手術法

・機械に頼る治療が非直視下手術法

・切除法と掻爬法はほとんど行われていない

・クリニック独自の呼び名や治療法がある

 

ワキガの悩みは、ニオイの原因であるアポクリン汗腺を完全に摘出する以外に、根本的な治療法はありません

つまり、もしあなたがワキガの根治的な対策を望むのであれば、結局のところ手術しかないということです。

 

しかし、現実では私の妻のように、ワキガや多汗症の原因になる全ての汗腺を切り取り除いたはずなのに、再発してしまったり、強い副作用後遺症が残ったりする症例もあります

 

とくにワキの下に手術痕が残ったのは大きな問題で、ふつうならタンクトップやノースリーブブラウスを着て楽しめる夏も、洋服は袖がある服を選んでいて、とても憂鬱そうです。

 

私がここでご紹介した治療法は、前回の一時的な治療法と違って、手術による治療法ですが、一部ではデメリットのことは伏せて、メリットだけをむやみに宣伝しているところも見かけられます。

 

これは厄介なことで、私たちのような素人は疑いもせず、そうしたものを鵜呑みにしてしまうことも少なくありません

 

手術後に「こんなはずじゃなかった、、、」と後悔しないためにも、欲的な情報収集に取り組んでくださいね

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