ワキガの【一時的な治療法】種類と特徴

ワキガや多汗症の治療はある意味、とても単純なものです。

分かりやすく言うと、長年にわたって苦しめられた、ワキガの原因となるアポクリン汗腺や、多汗症の原因であるエクリン汗腺を完全に取り除けば、悩みはキレイさっぱりと解消できるのですから

しかし、それほどワキガ臭が強くない場合は、治療法次第で一時的にニオイを減らすことが可能です。

たとえば、脱毛だけでもニオイを軽減できるケースもあります。というのも、

✔明日のデートの間
✔会社にいる間
✔来週の女子旅の間
✔汗ジミが気になる夏の間
✔長い電車通勤の間

だけでもいいから、ニオイや汗を抑えたい。など一時的な治療を求めている人たちもいるからです。

ここではワキガは気になるけれど、手術をしようとまでは考えていないあなたのために、一時的な治療法をご紹介しますね。

電気凝固法・電気分解法

クリニックによってはEL法、小林式絶縁針電気凝固法などとも呼ばれていますが、どれも同じワキガ治療法の一つです。

もともとは永久脱毛として考案された美容法が、ワキガ治療に使われている方法で、これはワキ毛一本一本の毛根ではなく、毛根から数ミリ離れたところに細い電極針を刺し、高周波電流を流して、毛根組織を熱で凝固させてしまう治療法です。[注1]

凝固した毛根は簡単に抜くことができるため、永久脱毛効果があり、アポクリン汗腺や皮脂までも凝固させ破壊することで、ワキガに対しても一時的な効果が期待できます。

以前は針を1~2mmほどしか刺すことができなかったのですが、絶縁針を使った新しい方法が開発され、皮下3~5mmまで深く刺せるようになりました。

針の上の部分が絶縁体になってからは、保護機能が皮膚に働くので、身体をあまり傷つけずに通電時間の延長や、より強い電圧を流せるように。

これによってアポクリン汗腺に対する凝固作用が高まり、ワキガ治療法としても有効度を高めている治療法のようです。

電気凝固法・電気分解法のメリット

切らないため、身体への負担も少なく、ダウンタイムも短く済むので、忙しい方でも治療が可能。また、ワキガだけでなくエクリン汗腺も破壊するので、汗も減少できるようです。

他にもミラドライやビューホットなど、切らない治療方法がありますが、それらより安く治療を受けることができます。

軽度のワキガで手術が怖い、傷跡が残るのは嫌だという方や永久脱毛もできて一石二鳥、という方にはこの電気凝固法が適しているでしょう。

電気凝固法・電気分解法のデメリット

先に述べた一時的というのは、ワキガの原因であるアポクリン汗腺を取り除くわけではないので、根本的な治療にはなりません[注2]

実際のところ完全な治療は難しく、一度破壊されたとしても、アポクリン汗腺や皮脂腺は数カ月で再生されます。

さらに、ワキ毛は個人の差が多少ありますが、片方で約700本以上生えているため、これを1本ずつ処理していくことになると、1回の処理では終わらないのです[注3]

全てのワキ毛の処理に毛が少ない方で数カ月、毛が多い人で長くなると、1年以上の時間が必要になることがあるようです。

参考文献:[注1]腋臭症の治療の概説

 参考文献:[注2]形成外科ガイドライン

参考文献:[注3]腋臭症・多汗症の治療戦略とリスク対応の臨床

治療時間とダウンタイム

ワキ毛の量やクリニックよって違いますが、治療時間は通常麻酔も含めて約30分~1時間程度。メスを一切使用しないので、通常、すぐに日常生活を送れるようです

 

シャワーは当日、入浴は翌日から可能。激しい運動は避けて、仕事は内容にもよりますが、当日から復帰が可能。

治療後、一時的な赤みやはれが出るケースもありますが、ほぼ1週間ほどで治まるようです

 

※電気分解法(EL法)と非常に似ている医療行為を行っている施設もありますので、必ず事前に専門の治療かどうか確認しておきましょう

ボトックス注射


一時的にワキの汗とニオイを抑えたいという方には、ボトックスの注射(ボツリヌス療法)も効果に期待ができます[注4]

ボトックスとはボツリヌス菌から抽出されたタンパク質の一種を、ワキの皮下に局部注入することで、エクリン汗腺の活動を抑制し6~7割程度、汗の分泌を抑える治療です。

ただ、汗が減ることによりニオイも抑えられますが、効果は永続的なものではありません。また、ボトックス注射は、保険が適用される場合と自費診療での治療になる場合があります。

全ての疾患の方に対して保険が適用されるのではなく、診察の際に、日常生活や就業に支障が生じるほどのワキ汗、ワキガと医師が診断した場合に限られるようです。

非常に個人差がある治療で、通常、効果の持続時間は約半年ですが、効き目が3ヶ月の方から、一度の注射でずいぶんと汗が減ってしまう方も。

毒素というと怖いイメージがありますが、ボツリヌス菌の毒素を無毒化したもので、以前から、眼科、神経内科で顔面痙攣等の治療、顔のシワとりにも応用され、安全性も確認されています[注4]

ただし、ボツリヌストキシンの注射で過去にアレルギー症状が出た方、合わせて、妊娠されている方、半年以内に妊娠を考えている方も施術を受けることができないようですので、治療を受ける際は必ず担当医に相談してくださいね

ボトックス注射のメリット

切らずに治療するので、傷跡が残ってしまったり、黒ずみになる心配がありません

しかもボトックスの治療は見た目での変化がないので、ワキが見える服などもためらうことなく楽しめます。

また、個人差はありますが、効果は約半年ほど持続するので、年2回ほどの注射で済み、コストがかなり抑えられる方もいるようです。

とくに、ワキの汗に効果に期待されるため、多汗に悩む人が夏の間だけ汗やニオイを抑えたい、などの理由で年に1回だけ治療を受ける方もいます。

ただ、人によりますが、所々に内出血や注射の後に軽度の腫れや痛みが起こることもあるので、事前に担当医に確認しておきましょう

ボトックス注射のデメリット

悩みのメインがニオイである方は、ボトックスの治療の効果は期待できません

ボトックスの注射で抑えられるのはエクリン汗腺からの汗のみで、ワキガの原因であるアポクリン汗腺からの汗は抑えることができないため、ニオイ自体を断つわけではないのです。[注4][注2]

また、効果は永続的なものではないので、ボトックスの効果が切れてしまったら、またボツリヌス菌を注入しなくてはなりません

長期的に継続するとなると、かなり対処が難しいでしょう。

治療時間とダウンタイム

以前、妻がボツリヌス療法を受ける際に付き添ったのですが、施術時間は10分程度でした。

ダウンタイムがほとんどなく、周りにも気付かれずに治療が受けられます。

治療当日の運動は控えて、シャワー浴は当日より、翌日から湯船につかる入浴は可能。ワキに何ヶ所も注射するため痛みが残るようですが、施術時間はあっという間に終わる感じでした。

クリニックによりますが、痛みに敏感な方は笑気麻酔を使用でき場合もあり、施術時には麻酔薬を塗布するため、痛みは軽減されます。

また、痛みはワキの皮下の筋肉や皮膚の厚みにより個人差があるので、心配な方は事前に注射する部位が痛みに敏感かどうかを、担当のドクターに確認しておくといいでしょう。

※ボツリヌストキシン製剤は国内唯一の厚生労働省承認のアラガン社製「ボトックスビスタ」で治療を受けましょう。[注5]

基本的にボトックスと呼べるのはアラガン社の製品だけ。注射時の痛みが少なく、ピンポイントで注入した部位に効果が期待できます。

それに最近では、中国製や韓国製の安価な偽物も出回っているので注意が必要です。それをボトックスとして治療に用いているクリニックもあります。

参考文献:[注4]腋窩多汗症のボツリヌス療法について

参考文献:[注5]ボトックスビスタ注用50単位 – 医薬品医療機器情報提供ホームページ

抗不安剤などの内服薬

病院やクリニックによってはワキガ治療として、保険適用となる臭化プロパンテリン(プロ・バンサイン・抗コリン薬)という内服薬を処方してもらえます。[注5]

汗を抑えるための飲み薬で、処方前に医師が診察を行い、日常生活や就業に支障をきたすほどのワキガと診断した場合のみ処方されるようです。

この薬はアセチルコリンといって、神経などに刺激を伝達する物質の働きをコントロールし、過剰な胃酸の分泌による腹痛を和らげるために使われていました。

もともとはこのように消化器系臓器の働きに用いられるのですが、発汗や排尿に関するアセチルコリンにも影響し、汗が出ないようになるので、多汗症やワキガの治療にも処方されるようになったようです

ただ、これらの薬剤は、ワキガの原因であるアポクリン汗腺には直接作用しないようなので、腋臭症の場合はやはり外用薬が主になると思われます。[注2]

臭化プロパンテリン(プロ・バンサイン)のメリット

消化管の収縮運動を抗コリン作用が抑制し、次いで自律神経節遮断の作用により筋肉の収縮の緊張を緩め、多汗の改善に期待ができます。[注5]

また、1錠あたり10.3円とコストパフォーマンスも良いうえに、ワキガ手術と比べるとリスクはかなり低いでしょう。

参考文献:[注5]処方薬プロ・バンサイン錠15mgの基本情報

臭化プロパンテリン(プロ・バンサイン)のデメリット

この薬は副作用が多い薬でも知られていて

口や目の渇や
✔尿の出が悪くなったり
✔視覚に不調が出て
✔眠気やふらつき
✔軽い頭痛

などを引き起こリスクがあります[注6][注7]

服用後、薬が効き始めた時からは終始、喉の渇きで声が若干出しにくかったり、目のかすみや不調を強く感じるケースがあるので注意が必要です。

とくに車の運転や危険性が高い機械の操作は避け、水分補給は必須

常にペットボトルで水を携帯して、コンタクトレンズを付けている方は目薬を持ち歩くようにしましょう。

これらの理由から臭化プロパンテリンは、長期的な服用には向いていない薬であると言えます。

海外からの個人輸入で購入することも可能のようですが、持病がある方は服用できない場合があるので、使用する際は必ず医師の指導のもとで服用してください[注6][注7]

治療時間とダウンタイム

臭化プロパンテリンは通常、成人の方で1回1錠を1日に3~4回、汗を抑えたい時に服用。

ダウンタイムはなく、持ち歩くことで安心感を保てるので、トレスによる汗の抑制にもつながりますね

臭化プロパンテリンの効果は絶大ですが、副作用を考えると、ニオイや汗が気になるようでしたらアセッパーのようなサプリメントがいいでしょう。

不必要な添加物が含まれていない健康食品なので、毎日服用しても安心です

参考文献:[注6]医薬品インタビューフォーム

参考文献:[注7]抗コリン性鎮痙剤

制汗剤やデオドラント剤

デオドラント対策とも呼ばれ、ワキガ対策では一番簡単な方法です

日本では市販の制汗スプレーや、ワキガクリームなどをまとめてデオドラントと言われ、ワキの下の皮膚にワキガクリーム塗ったり、いい香りがする制汗スプレーをシュッとするだけで汗やニオイを抑えてくれます。

最近ではさまざまな制汗剤や、ワキガクリームなどのデオドラント商品が市販されていますが、それらはもともと長期にわたって使うためのものではなく、一時的な効果を期待して作られました。

ニオイがする汗がワキガの原因であれば、それが出ないようにするのが何よりも大事なポイント。制汗スプレーなどは、そうした目的で開発されたのです。

重度のワキガや多汗症の方の場合、デオドラント用品だけでは完全に悩みを解決することはできませんが、軽いワキガの方や、運動のあと、お出かけ前には一時的な効果が期待できます[注2]

 参考文献:[注2]形成外科ガイドライン

デオドラント対策のメリット

なんといっても、手術に比べてリスクとコストが圧倒的に低く済むことでしょう

制汗スプレーはワキ下の毛細血管を収縮させて発汗を抑えたり、ワキガクリームに関してはワキの皮膚に直接働きかけて、細菌の繁殖を抑え、その活動を弱くさせることでワキガ臭を抑えてくれるのです

また、購入は通販でも可能なので、ワキガのことが誰にも知られる心配がなく、しっかりとケアに取り組めるのもメリット。

しかも即効性に優れているので、ニオイが気になる時にすぐ使用すればワキガ臭や汗を抑制することができます[注8][注9]

デオドラント対策のデメリット

例えば市販の制汗スプレー類は、ワキの毛細血管を収縮させ、汗腺の働きが低下することにより発汗が抑えられますが、効果が失われると、ワキの汗腺類はまたしても活発に活動を始めてしまいます

そのため、四六時中制汗スプレーを用意し、毎日もしくは数時間ごとにケアすることが理想的なのですが、長期にわたって使っていると、いろいろな薬剤によってかゆみやかぶれを発生させるケースもあります。

しかも、明確にワキガ体質の方が間違った使い方をすると、汗やワキガ臭がデオドラントのニオイと混ざって、以前にも増して不快なニオイを発生させ、逆効果になってしまうことがあるのです。

最近ではこうしたデオドラント用品はかなりお求めやすくなりましたが、毎日断続して使うことになると、そのコストは少なからずお財布の負担になってしまいますね。

治療時間とダウンタイム

ダウンタイムはないので、誰にも知られることなく手軽に治療できます

人によって悩みの主体や体質、ニオイの強さなどが違うので、必要に応じて上手にデオドラントを使い分けましょう。

仮に、悩みが汗ではなくワキガ臭であれば、ワキガクリームをお出かけ前とお休み前、さらに外出先でニオイが気になったら塗りなおします。基本的には一日に2~3回ほどケアを心がけておけば、効果を期待できます。

また、ニオイが気になる前にきっちりとワキ毛の処理をしておけば、ワキガ臭の発生はさらに抑えやすくなりますよ

先にふれたように、かゆみやかぶれが心配の方は、3日使ったら11日塗るのを止めたり、1週間使用したら3日塗らないなど、休止期間を入れながら使ってみるのもいいでしょう。

【関連記事】デオドラント剤によるワキガ対策については下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

おすすめワキガケアクリーム8選+最強制汗剤αを徹底解説|本格的な抑臭を叶えたい人必見!
毎日ニオイケアを頑張っているけれど、汗をかくとやっぱり気になるワキガのニオイ。 毎回トイレに駆け込み「どうして…」なんて、周りにニオってな...

最後に

・一時的にニオイを抑えることは可能

・ダウンタイムがほとんどない

・誰にもバレずに治療ができる

・手術に比べて圧倒的にリスクが低い

・根本的な治療にはならない

ボトックスやデオドラントでの一時的な治療には、このようにメリット・デメリットがあります。

しかし、私の妻のように手術を選択したために、心とワキに大きな傷跡を残すリスクもあるののも確かです

とくに再発については、心に取り返しのつかないダメージを受けたうえに、新たな悩み抱えてしまいました

もしあなたがワキガで悩んでいるのであれば、しっかりと自分に合った正しい対策法を選択してくださいね。

今どきのデオドランは優れたパフォーマンスを実感できるもの増えたので、ケア次第では私たちのようにワキガの悩みから解放されます。[注8][注9]

私たちの経験からですが、解決策もコストや身体への負担が最小限にすむワキガクリームなどの治療法から順に進めていくのがいいでしょう

参考文献:[注8]新たな腋臭菌と腋臭を抑制する素材の発見

参考文献:[注9]腋臭防止剤の新規有効成分「銀・亜鉛・アンモニウム担持ゼオライト」の有効性

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