せっかく自分の気に入ったお洋服を買ったのに、2~3回着ればすぐワキガのニオイや黄ばみが付いてしまうと、とっても悲しい気持ちになりますよね。
しかし、見て見ないふりをすれば、黄ばみやニオイはどんどんきつくなる一方、、、結局はすぐ捨てるはめになってしまいます。
また、ワキガのニオイや黄ばみが染み付いた服は、洗濯機で回したくらいでは取れません。
では、どうすればお気に入りの大切な服を、ワキガに負けずに綺麗に保てる様になるのでしょうか。
そこで今回は、ワキガのニオイや黄ばみを落とす技を、徹底的にご紹介していきます。
私たちも実践していますが、大切なお洋服はワキガのニオイや黄ばみに負けず、お洋服も長持ちしますよ。
目次
服についたワキガ臭は、なぜ家庭用洗剤では落ちにくい?
どうして家庭用洗剤では、ワキガ臭は落ちないのでしょう。
実はワキガの原因であるアポクリン汗腺から分泌される汗は、水分のほか、タンパク質や脂肪、アンモニア、色素、鉄分などを含みます。[注1][注2]
このように、通常のエクリン汗腺から分泌される汗よりも、粘り気があるのが特徴なのです。[注3]
そのアポクリン汗腺から分泌された汗が洋服に付いてしまうと、汗ジミなってしまい酸化して洋服に黄色のシミ、いわゆる黄ばみになります。
すぐ洗える状態ならまだしも、普通だと朝から晩まで同じ服を着ますよね。
一日中アポクリン汗腺の汗に晒された服は、ニオイもまたしっかり染みついてしまい、普通の家庭用洗剤では洗っても、落ちにくくなってしまうのです。[注4]
また、ワキガ臭が落ちきっていない洗濯をした服を着ると、皮脂やタンパク質の汚れが残ったままの状態なので、それらが一般細菌により分解され脂肪酸が発生。[注5]
それにより、キレイに洗濯したつもりでも、ワキガ臭がきつくなってしまったり、生乾き臭を発生させてしまうことになります。[注5]
参考文献:[注5]Ag+(銀)イオンによる抗菌防臭コート技術
【関連記事】ワキガのニオイについてのさらなる詳細は、下記のページに書いてあります。

ワキガのニオイと黄ばみを落とす洗濯方法は?
そんなしつこいアポクリン汗腺から分泌されたニオイがする汗、つまりワキガ臭の原因であるタンパク質や皮脂などが付着した服の汚れを除去するには、それらの汚れを水の中に移動させて、洗い流すことが必須になります。[注6]
それが界面活性剤の作用[注6]というものになるのですが、どのように洗濯すればワキガ臭の原因である汚れやニオイ、黄ばみが落ちるのか一緒に見ていきましょう。[注6]
参考文献:[注6]身の回りの製品に含まれる化学物質シリーズ 洗剤(家庭用)
洗濯用固形石鹸で手洗いをする
洗濯機ではニオイが気になる部分をピンポイントで洗うことは難しいので、まず専用の石けんなどでしっかりと手洗いし、ニオイのする部分を念入りに洗っていきましょう。
固形石けんに含まれた脂肪酸ナトリウムの働きにより、タンパク質の汚れだけでなく、汚垢や血液、食べこぼしなど、強固に付着している他の汚れも除去しやすくなります。[注7][注8]
参考文献:[注7]汚れを落とす固形石けんの水と汚れになじみやすい部分の理科的な扱い方について
私たちは、部分洗いに特化した製品の「ウタマロ石けん」を使用。
蛍光増白剤も配合していて、白い下着や洋服にはウタマロ石けん、そのほかの大切な洋服にはウタマロリキッドを使うようにしています。
酸素系漂白剤に浸す
酸素系漂白剤につけ置きすると、汚れに含まれる色素を無色にして目立たなくし、常在菌も殺菌され、ニオイを防ぎ清潔感を保ちます。[注10]
通常は冷たい水ではなく、30〜40℃のぬるま湯に30分つけ置きします[注9]デメリットは、浸けすぎると、洋服が傷みやすくなること。
お気に入りの洋服の時は浸けすぎないよう注意が必要です。また浸け終わったら、しっかり濯ぎます。
加えて、使用の際に生じるリスクを避けるため、使用時は漂白剤に記載されている用途や注意事項、使用条件などは必ず守りましょう。[注10]
参考文献:[注10]衣類の新しい取扱い表示と洗濯の基本を知ろう
高温で漂白する
酸素系漂白剤での漂白が不十分の場合は、漂白剤の効果を促進するため、粉末酸素系漂白剤を使った処理の温度を上げることにより、漂白効果がアップします。
家庭で高温漂白をする場合は、火傷を起こす恐れがあるので、ポリバケツをお風呂場などに固定し、お湯を入れて、ついで粉末酸素漂白剤を静かに混ぜ合わせます。
その処理温度は65〜75℃くらいに制限し、30~60分間つけ置きします。
もしそれでも汚れの落ちが十分でない場合は、熱湯を足して温度を上げるか、つけ置き時間を長くするなどの対処をすればいいでしょう。[注11]
また、酸素系漂白剤には、皮膚のバリアを破壊する作用があるので、手肌が弱い強いに関わらず、念のためにゴム手袋をして行います。[注12]
もし素手で行う場合は、処理後よく手をすすぎ、ハンドクリームを塗るなどして油分を補うケアを忘れないで下さいね。[注12]
スーツや制服に付いた「ワキガ臭」を消すワザ
私に当てはまることなのですが、職場では緊張などの精神的な要因で、汗をかくことがありますよね。[注13]
とくにワキガ体質の方のアポクリン汗腺から分泌される汗は、スポーツなどで出る汗よりも、臭う傾向があります。
そんな冷や汗が付きやすい仕事の制服や、スーツに付いたワキガ臭を抑えるには大きく分けて2つあります。
衣類用の消臭スプレーでケア
まずは、リセッシュなどの衣類用の消臭スプレーをかける方法です。
香りは無香料タイプがいいでしょう。香料タイプはワキガのニオイと混じって、かえって悪臭を放ってしまうケースがあります。
また消臭スプレーは一時的にワキガのニオイを隠せることができますが、根本的な治療にはなりません。ですので、小まめに消臭することがポイントになってきます。[注13]
クリーニングへ頻繁に出す
家庭では洗いにくいスーツやなどは、労を惜しまず、クリーニングに出すなどして対処していきましょう。[注14]
何着かスーツを用意しておく必要がありますが、続けて同じスーツを着てしまうと、日に日にワキガのニオイは強烈になってしまいます。
また職場の制服があるようなら、毎日制服を持ち帰り家庭で洗濯するのがいいでしょう。
少し面倒かもしれませんが、ニオイを気にして仕事に集中出来ないよりは、ずっと良いですよね。[注14]
参考文献:[注14]衣類の新しい取扱い表示と洗濯の基本を知ろう
ワキガ臭が付いた「洗濯物のニオイ」はうつる?
ワキガ臭が付いた洗濯物と、他の洗濯物を一緒に洗うと、ニオイはうつるのか心配でしょう。
しかし、基本的にワキガはうつることはありません。
ただ、一回の洗濯物の量が多く、洗濯機の中に汚れた衣類と、汚れていないものを一緒に洗濯した場合は注意が必要です。
なぜなら、衣類にワキガ体質の人のタンパク質や皮脂などの汚れが残っていたのが、洗濯機の機械力により洗濯物から一旦引き離され予洗浴中に移行。再び繊維に吸着してワキガ臭がうつってしまうことがあるからです。[注14]
【関連記事】ワキガはどうして「うつらない」のか、その仕組みについては下記の記事で詳しく紹介しています。

ワキガ臭と黄ばんだ服を「クリーニング」に出すときのポイント
家で洗濯できないようなスーツ類やウールのコート、カシミヤのセーター、シルク製品などは、ドライクリーニングが適しています。
でも実はドライクリーニングに出しても、ワキガの臭いや黄ばみはそう簡単に取れません。[注15]
もし、ワキガのニオイや黄ばみが付いた服をクリーニングに出すときは、ニオイや汚れを落としてもらうように、お店の方へ「ワキの黄ばみを重点的に落としてほしい」と正直に伝えましょう。[注15]
恥ずかしいかもしれませんが、そうするとクリーニング屋さんも「染み抜き」という方法で対処してくれて、しっかりとワキの部分の汚れを落としてくれます。[注15]
参考文献:[注15]衣類の新しい取扱い表示と洗濯の基本を知ろう
服にワキガ臭と黄ばみを付けない方法
そもそも、出来れば服にワキガ臭や黄ばみを付けたくないですよね。ニオイが付かなければ、洗濯にも気を使わなくて済みます。
脇汗パッドを付ける
薬局でもよくみる、脇汗パッドを付ける方法です。
洋服のワキの部分にパッドを貼り付け、ワキと洋服に直接肌を付けないように出来ます。
ワキガのニオイを和らげてくれる効果はありませんが、服にワキが直接付かないので、ニオイや黄ばみが付かず洗濯も楽になりますよ。
汗パット入りの肌着を着る
最近流行っている、ワキの部分が二重になっていて、汗染みを回避してくれる肌着です。
もちろん肌着にはニオイや黄ばみは付いてしまいますが、お気に入りの服や制服スーツにはニオイや黄ばみがうつりにくいのです。
お値段的にも優しいので、肌着を小まめに変えて、洋服を長持ちさせる方法もいいでしょう。
最後に
・服についたワキガ臭や黄ばみは簡単に取れない
・菌は繁殖したままの服を着るとニオイが悪化
・ニオイや黄ばみを落とすには洗い方を工夫する
・家庭では洗えない衣類はクリーニングへ
・脇汗パッドなど使って予防する
今回は、ワキガの洗濯方法や対処法をご紹介していきました。
ワキガ臭が洋服に付かないよう習慣的に対処することで、ワキガのニオイ軽減につながります。
また、ワキガのニオイを抑えることができれば、仕事やプライベートにも何らかの変化が見られるはずです。
現在では、石けん、ローション、ボディーソープ、乳液、パウダー、汗拭きシート、脇汗パッド、衣類用消臭スプレーなど、いろいろなアイテムが販売されています。
これらを必要に応じて、組み合わせてケアしてみるのもいいでしょう。